【書籍】ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本

今回ご紹介するのはこちらの書籍。

イントロダクション

本書は、英語に対する苦手意識をやさしく取り払ってくれる。

「Yes」すら答えられなかった僕でも、「英語、読めるかも」と錯覚させてくれる。

きっとそれは、英語が苦手な人とって、とても大切な第一歩だ。

本書を薦める対象者

  • 英語が苦手だという人
  • 世界から英語がなくなればいいと思っている人
  • 日本語のマニュアルしか読まない人

内容のご紹介

本書は、愛らしい挿絵に癒やされながら、「英語の仕組み」を学べる本です。

本書の構成は、ざっくり下記のようになっています。

  1. 準備編 英語学習がうまくいかない理由について
  2. 基礎編 「英語の仕組み」を解説
  3. 実践編 実際に英語を読んでみる
  4. 応用編 もう少し難しめの英語を読んでみる

全体で170ページ程ですが、挿絵が多いのでもっと短く感じます。

「英語の仕組み」とは、つまるところ英語の文法の話になるのですが、難しい文法用語は一切出てきません。
それどころか「主語」や「動詞」という用語すら出てきません。
本書では、下記のように述べられています。

英語の基本的な仕組みはたったひとつの図だけで説明できます。

その図とは、下記のようなイメージです。 (実際は愛らしい挿絵と一緒に説明があります)

The cat  scratched   Ed  
 [ A ]       ⇒     [ B ]
  主役       行為     脇役

基本的な構成は、「Aの箱(主役)」と「Bの箱(脇役)」、そして「⇒(行為)」だけ。
これに、「付録」や「化粧品」などが付いて文が長くなっていくものの、英語を読むためには、まずこの3つを見つけることが大切だと教えてくれます。

また、英語の上達における、英語を読むことの重要性も説かれており、

人が呆れるほど読めば、人が呆れるほど英語ができるようになります。  
人がちょっと感心するぐらい読めば、ちょっと感心するぐらい英語ができるようになります。


とも書かれています。

本書を読んだからと言って、すぐに英語ができるようになるわけではありません。

しかし、英語に対する苦手意識を取り払い、「英語ってちょっと面白いかも」と思わせてくれる1冊です。

英語は苦手だ、英語なんて嫌いだという人は、まずは本書を手にとってみてはいかがでしょうか。

感想など

学生の頃、駅のホームで電車を待っていて、外国人に話しかけられたことがある。

何を言っているのかまるで聴き取れなかったが、英語っぽかった。
同時に1枚の紙を見せられた。
どうやら「次の電車はこの駅に行くのか?」と尋ねられているようだった。
その駅は、僕が通っていた大学の最寄り駅だったので、自信たっぷりに頷きながら答えた。

 「あーはい、行きます」

、、、なんと、「Yes」すら出なかった。(でもとりあえず伝わったみたい)

人生を振り返っても、日常生活において英語と会話する機会があったのは、その1回だけだ。
日本で暮らしていれば、英語で会話などしなくてもだいたい生きていけそうだ。

しかし、英語を読む機会というのは結構ある。

特に、システムエンジニアやプログラマを生業にしている人は、嫌でも英語のマニュアルが出てくる。
なぜなら、ソフトウェアもハードウェアも国外で作られているものが多く、マニュアルも英語が多いから。
例え日本語訳版があったとしても、最新版のマニュアルは英語版しかないことが多い。

そして、英語が苦手な僕は、英語のマニュアルを読みながら常々思う。

今、モヤモヤするのは、英語の解釈が間違っているからだろうか?  
それとも、日本語で書かれていても理解できない内容なのだろうか?


いつも不安で、読むのにも時間がかかり、とても疲れる。

英語がどんどん嫌になり、苦手意識もどんどん強くなっていく。

しかし本書は、英語に対する苦手意識をやさしく取り払ってくれる。
「Yes」すら答えられなかった僕でも、「英語、読めるかも」と錯覚させてくれる。
きっとそれは、英語が苦手な人とって、とても大切な第一歩だ。

英語を学ぶには英語を読むしかないというが、英語が苦手な人にとっては、まずそのハードルが高い。
本書は、そのハードルを蹴り飛ばすのを手伝ってくれる。
そして、「もっと英語を読んでみたい」という気にさせてくれる、貴重な1冊だった。